強く生きる

HiGH&LOWと山田裕貴関連用。本業はオタクです。

あゝ荒野前編完成披露試写会(ネタバレ感想)

kouya-film.jp

まずは観終わった直後のtwitterの所感から。

・あゝ荒野完成披露おわった。面白かった…2時間半飽きさせないってそれだけですごい。推しも善良なサイコパスでめちゃくちゃよかった。菅田将暉はずるいな〜〜〜〜〜。一気見できるぴあ映画祭のチケット、買っておいてよかった。はやく続きみたい!

・あゝ荒野、寺山修二原作、2時間半の前後編で合計5時間超ということでもっとアート寄りの作品かと思ってた。賞は取るけど客は寝る的な。全然違った。ちゃんとエンタメでちゃんと客を楽しませにきた。時間と題材を理由に観る人少なそうなのが残念。ちゃんとプロモーションしてちゃんと数字取れて欲しい

菅田将暉のことは女優だと思ってるし、最初にみたときすごいファムファタールだ!って感じたんだけど、あゝ荒野でその直感間違ってないって思った。菅田将暉は陽で、推しは陰だとも。展開自体はしんどいのに、その菅田将暉の謎の陽の力によって二時間半が生命力に満ちていたし、良い意味で寓話だなって

・ユースケサンタマリアもでんでんも陽の人だし、泣いたりはせず、笑ったり手に汗握る二時間半だった。新次と裕二、キャスト入れ替えたらどうだろうってつい考えてしまったけど、多分つらくて号泣するし、めっちゃよかったけどもっかい観るには一週間くれってなりそうだな〜〜菅田将暉はずるい!

ほんとにこれ、めちゃめちゃ面白かったです。ちょっと検索してみたけど他の方の感想も興奮気味に絶賛してるのが多くてやっぱそうだよね!ちょっと前にtwitterで話題になってたウェブ漫画の「映画大好きポンポさん」でロリっこ映画Pのポンポさんが「映画は90分以内に限る」って話をするんですけど、わたしも映画90分教の信者です。いや別に越えてもいいんですけど人間の集中力とか尿意とか考えなくてもいいのは90分までかなって。ユースケサンタマリアも1時間半が限度って言ってて膝連打した。90分越えるときは、越えるべき必要性をちゃんと考えて欲しい。それだけにハイローみたいに2時間、LAND特別版にいたっては2時間半あるのに体感一瞬な作品に出会えるのはめっちゃ嬉しいんですけどね。
話はそれますけど、スマホの普及で明らかに人間が飽きるまでの時間って短くなってるじゃないですか。昔は日単位で考えればよかったことが、今は時間単位分単位、さらには秒単位で飽きないようにさせないといけないし、そのうちLINEの通知をチェックできないから映画館には行かないなんて層が大量に出てくると思う。いやもういるのかも。いますね。にもかかわらず、映画って割と昔の感覚のままで作ってそうなのがちらほらあるのでたまにイラっとします。もちろん、作りたいものを作りたいように作るのが一番強いし、数字ありきの企画ってほんとつまらないのでいちいち客の反応だのマーケティングだのリサーチだの気にすんな、とも思うんですけど、いいもの作ってそれをきちんと届けたいならそういうのも意識しとけよ、と。ちなみに闇金ドッグスシリーズはもしかしたらVシネのレギュレーションがそうなのかもだけど、毎回ほぼ90分です。すばらしい!

で、あゝ荒野なんですけどなんと2時間半の前後編で合計5時間越えです。正気か。が、ちょっと長くなっちゃったてへペロなんてレベルをはるかにぶっちぎってるし、デメリットなんて重々承知でそれでもこの時間にしてるんだろうからよっぽど5時間かけるべき理由と自信があるんだろうなあと思って期待値高めだったんですけど、確かに自信もっていいやつだった!すごい!
つぶやいた通り、本当に2時間半飽きる瞬間がなかった。トイレは結構我慢した。実際トイレに立ってる人も多くて(これはしょうがない)スマホ開く人も多くて(これは許さん)でも画面の方が気になるので他の人の動きにそこまで意識持ってかれることもなかったです。ハイローみたいにとにかく密度が高くて2時間集中しっぱなし目が足りない!という感じではなく、結構だらっとしてるんですけどずっと面白いのでふんふんと観てるうちに、えっ2時間半経ったんだ?!という感じ。監督のプロフィールみたらテレビからのドキュメンタリー撮ってた方なんですね。なんかすごく納得。主に新次・バリカンのボクシングパートと自殺研究会パートで交互に話が進むんですけど、常にヒキを持たせて切り替わるのではやく続きを!ってなるんですけど、それ、テレビのドキュメンタリーっぽい。
スマホだのドローンだのYoutubeだの東日本大震災だのオレオレ詐欺*1だの出てくるので、相当原作に手を加えてるみたいです。続き気になるので今めっちゃ読みたいんですけどせっかく読まずに前編みた以上、フラットな状態で観るためにも後編観るまで我慢します…。もっと昏い、陰鬱とした話かと思いきや、菅田将暉がとにかく常にお日様のように陽だし、片目も馬場もあしたのジョーから出てきたみたいにわかりやすくいい人。自殺研究会もキャラがコミカルなのでわたしは重さは感じなかったです。自殺フェスのくだりは駕籠真太郎ぽい。ただわたしは人が路上で素手で殴りあったり血が吹き出たりする作品に日々親しみすぎてるので、そういうのダメな人はちょっと辛いかもしれない。あと濡れ場は多い。余談ですが、幽劇の感想ですぐに殴る蹴るすることに違和感感じるという意見をいくつか見かけて驚いたし、慣れてない人がいるんだなって目からウロコでした。そこに1ミリも違和感感じなかったし、むしろ味方は基本素手、敵も木材か鉄パイプたまに車のハイローに比べたら刀や銃主体の幽劇は文明的だなって思ってた…。
冒頭のバリカンと父のシーンはちょっとしんどかったけど、それもすぐに新次に救われるし(バリカン歌うところズルすぎる!あそこ何回みても毎回笑う自信ある)、新宿なのに偶然知り合いと邂逅する率高すぎるし、リアルな、というよりはわたしはファンタジーだなって感じました。後編どうなるか分からないですけど。
山田裕貴の裕二もよかった~~~~!予想以上に話に絡む重要な役だった。最初出てきたとき、1年前の顔してるって思いました。いや当然なんですけど伝わってこの1年前の顔感…始まる前に見た本物の本人とはなんか顔が違うんだ!すごくいいなって思ったのは、ジョギング中に新次と会うところ。もうそこまでの話ですっかり新次に肩入れして観てる状態になるので、はっきり言ってうわこの男気持ち悪いって思いました。推しなのに!完全版宮本武蔵の武蔵と同じ、言葉でのコミュニケーションが通じない人間の目をしてた。嬉しそうにリュウキ先輩のことを語るガラスみたいな目も声もすごい気持ち悪くて、新次から見たこの時の裕二は自分とは違う言語を操る宇宙人になっていた訳でそれはもうぴったりの演出なんだけど、このまま試合するの?この宇宙人と?!って心配してたらラストの新次の試合を見に来たシーン、ちゃんと同じ言葉を話す人間の顔になっていてその変化にあーーーーー山田裕貴めちゃくちゃいいーーー!!ありがとーーーー!!って思いました。孫をたたえる語彙力が足りない。新次の言語はまちがいなく「暴力」であり「拳」で、裕二にも同じその言語を使うように強制的に引き戻して、さあ語り合おうじゃねえかってところで後編に続く、です。うっ早く観たいよう…後編の完成披露がなければ最速でみれるのがぴあ映画祭なんですけど、完成披露終了後に見たらもう完売してたので本当にチケット取っておいて良かった。わたし偉い!しかし言語が「拳」ってあゝ荒野もまたハイローなの…?

あゝ荒野、最初の実写化?は舞台だったそうで、もし今回のキャストで舞台だったら新次と裕二の役替わり、すっっごく観てみたいです。菅田将暉は本当にびっくりするほど陽のオーラに満ち満ちていて、どんなに何も持たないシーンでもちゃんと動く手がある足がある、それで十分じゃんって感じで悲壮感もないし、実際1回も泣くところなかったんですけど、もし山田裕貴が新次だったら多分裕二とリュウキ先輩の和解を見ちゃうところで号泣するか観てられなくて画面から目をそらしてるなって思いました。泣くか鬱るかですんごいしんどい2時間半になりそう。それはそれで観たいんですけど、2時間半観終わった後ですぐもっかい観たい!と思えるのは菅田将暉の陽のオーラだなあ。山田裕貴の何も持ってない感、なんなんだろう。あとちんぽの歌は孫ちゃんに歌わせてもすべりそう(笑)帝一の國の採点シーンといい、菅田将暉はこういうのすっごい上手いよな…ずるい…。逆に孫ちゃんの役を菅田将暉がやるバージョンも考えてみたんですけど裕二はエキセントリックなヒールになるだろうなあ。忠臣さんの一番辛くて見てられないシーンは闇金ドッグス1の中華料理店に入るのを我慢するところなんですけど、もしここを菅田将暉にやらせたら多分ニヤっとするシーンになりそうだし、次郎に銃を口につっこまれるところも、キャーヤクザの抗争かっこいい!ってなりそう。忠臣さんが持ってるどうしようもない寂しさはない。山田裕貴山田裕貴にぴったりな役に出会えてよかったねえ。わたし、それに出会えてよかったね!

 

ネット中継あったみたいだしどうせ円盤に入るだろうので、舞台挨拶は個人的に印象に残ったところだけを。

今野杏南ちゃんが「わたし舞台挨拶初めてなんです」って言った時に、すぐ隣で思いっきりへえ~って顔してて、客かよって思いました。舞台挨拶芸人山田裕貴、舞台上でガチで人の話きいててかわいい。
・菅「(今作での山田裕貴の印象の話のあと)少女漫画原作の作品で一緒になったときはすごいかっこつけてて」待って、それ確実にまだメイン二人しか発表されてないやつ!孫ちゃんまだ言えないやつ!!
・フォトセッション時、ユースケサンタマリアが「HiGH&LOW2大ヒット上映中!」って言ってくれたありがとう!そういえば人生で初めて舞台挨拶に行ったのは踊るのスピンオフでユースケ見たことを思い出しました。
・登場時、板?紙?を菅田将暉とヤンイクチュンさんでぶち破って出てきたため、当然退場時もその穴をくぐらねばならず、殿になっちゃった孫ちゃんがいつもより控えめに手を振ってもたもた穴をまたいでいったのすんごいかわいかったです。穴の大きさが菅田・ヤンさんのサイズだからね…
・さらにその板を撤去するためにスタッフが電動ドリル使い始めたのはさすがに面白がすぎました。丸ピカに響きわたる生のドリル音勘弁して。

 

おまけ

http://www.cinema-life.net/wp-content/uploads/106e14f3508a9b210d950ba79d5a5f3f.jpg

なぜか一人だけあさっての方向を見てる上にサイズ感が違うせいでバナーと一体化した等身大スタンディみたいになっている孫ちゃん面白すぎ画像を見てくれ!

*1:推しオレオレ詐欺に加担するの3年ぶり2回目