強く生きる

HiGH&LOWと山田裕貴関連用。本業はオタクです。

映画「デメキン」ティーチイン覚え書き

ずっと下書きに眠らせていたのですが、記憶を総動員してなんとか仕上げました。記憶違いあったらすみません!回答しかメモ残してなかったので質問が特に間違ってるかもですご了承ください。一応初日と大ヒット御礼のメモもあるんですけど、円盤に入るようなので…入ってないのあったらまとめます。

2017年12月22日シネマート新宿スクリーン2にて。山口義高監督、脚本の足立紳先生、佐藤現プロデューサーのお三方が登壇。上映後、簡単な挨拶の後に客席からの質問(4人で時間切れ)、ポスターと台本のプレゼント抽選があって計30分ほどのイベントでした。

・山口監督挨拶
80年代に青春を過ごした人に向けて作った。その人たちが実際楽しんでくれたようでよかった。

・足立先生挨拶
僕の作品には珍しく女子高生まで客席にいて嬉しい。健太郎くんが来ると勘違いしたんじゃないよね?

健太郎くんについて
足「『十四の夜』から二度目の健太郎くんは、最初に部屋に入ってきた瞬間、部屋が明るくなった記憶がある。」
山「健太郎くんは陽性。いるとぱーっと明るくなる。役者として光の素質がある。逆に山田君は陰影があるというか」

・ティーチイン
Q:最後のシーンの「10年待ってるから」は映画にしかないセリフで、これから10年重なることがないという別れの言葉であり、その後のエンドロールとの対比になっていると捉えたが、どういう意図でいれたのか?
A:
足「そのままの通り、この先10年もその先も永遠に二人は一緒だというつもりで書きました。でもそっち(別れ)の方がかっこいいかもしれないですね」
山「僕は別れのつもりで撮りました。最後のバイクのシーンは最初からラストに使うつもりでした。結局総長になった後のシーンになりましたが、厚成の引退走りのつもりで撮っています。二人がこれきりということではなく、これからもバカやってくんでしょうが、今までとは立ち位置が違うという別れです」

Q:舞台挨拶で正樹とアキの病院のシーンが本来なかったのを脚本から追加したと聞いたが、なかったらどういうシーンになっていたのか?
A:
山「それは誤解で、屋上のシーンはもともとありました。追加したのはアキが厚成に早く落ち着きたいというシーンです」

Q:(質問失念。印象的なエピソードは?とかそんな)
A:
P「笠松将くん(蘭忠治役)は壁ドン映画が嫌い」
山「笠松くんが隔離されて寂しかったときいて、本当は仲良くしたかったみたいでかわいそうではあったんですが健太郎くんが完全に仕上がっていて、厚成のカタキ、忠次絶対殺す!!みたいな状態だったので一緒にはできなかった」
P「健太郎くんと山田くんはそれまでのお芝居とかを見てのオファー。あとは200人からのオーディション」
足「当初の脚本は正樹のお父さんが居たりもしたんですが、健太郎くん・山田くんの二人に焦点を絞りたくてこういう話になりました」

Q:厚成が襲撃を受けるシーンだけ、サイコホラーのようで他とテイストが違っていたがそれは意図的な演出だったのか?
A:
山「痛みが分かるように漫画的誇張と、あとはやっぱり山田くんのリアクションが上手いのでああなりました」

Q:(これも質問失念。多分この作品で目指したものは?とかかと)
A:
足「憧れ。自分がヤンキー漫画とともに育ってきて、その中のヤンキーへの憧れもあるけれど、それよりも青春の中での誰かが誰かに憧れるという、それを描いた」
山「正樹と厚成とのすれ違いと気持ちが伝わるところ。冒頭いきなり説明もなく殴り合いから始まるけれど、最後拳を重ねるところで分かってもらえるかと」


シネマートのスクリーン2、行ったことのある方なら分かると思うんですけど公民館の会議室みたいなあの謎の部屋にぎゅうぎゅうに人が詰まっているの初めてだったので、めっちゃデメキン愛されてるなって嬉しくなりました。ちなみに公開延長されての年明け、最終日の2日前に観納めしてきたんですが、その日もほぼ満席でした。完成披露で観た時にめちゃくちゃ面白いし、めちゃくちゃよく出来てるし、めちゃくちゃわたしに刺さるって感動したんですけど、おそらくは予想よりずっと流行ってくれたのではないかと思います。わたしも結局7回観たし。2017年の孫ちゃんの仕事の全わたしベスト3を選べといわれたら*1、間違いなく「あゝ荒野」「直虎」そして「デメキン」です。4月25日に円盤リリース、近いうちにレンタルも始まると思うので、全ヤンキーもの好きは観てください・・・!

ちなみに客席に田中偉登くんが来られてました!あっという間に終わってしまい、次の上映もあったので追い出されたんですけど、しばらくロビーで田中くん含めて対応してくださり、原作本にサインいただいてきました。自慢に載せます。パンフにしなかったのはこっちの健太郎くん単独のビジュアルがすごい好きなので。

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サインいただきながら、お三方ともにヤンキー映画が好きで、ヤンキー映画また作ってくださいって伝えられたので良かったです。わたしの前世、きっと雨の中で不良に拾われたおばあちゃん犬だったんだわ…というのはともかく、わたしが子供の頃、ジャンプもマガジンもヤンキー漫画の割合がすごくて、というか特にヤンキーものでなくても主人公はヤンキーデザインだったりしたんですが、今はもうほとんどなくて。デメキンの冒頭、昭和が終わって平成になるラジオ放送から始まるんですが、それを観たときにああもうヤンキーものって懐古おじさん層を主ターゲットにしないと厳しい時代なのかなあって悲しくなってたんですよね。でも今ものづくりの第一線にいる監督や脚本家がヤンキーものを見て育って、それに憧れた気持ちから作品を生み出してくれてるって分かって、まだまだ大丈夫だなって安心しました。デメキン、続編作ってほしー!でも厚成との別れが完璧すぎるので、続編には厚成要らないというジレンマ。大ヒット御礼のとき足立先生が「次があるなら群像劇で」と言われていて、それは全くもってわたしの望む形なので超期待しております!

ついでに当時のツイートなど。見返すと年末ずっとデメキンとボーダーラインと闇金ドッグス*2の話してて、このときのわたし超幸せだなって思いました。もうAMGさんなしでは生きていけない体になってしまったので、責任とってこれからもわたしの好きな作品を供給してくれないと困る。ずっと待ってます。

・わたしにとってデメキンの物語はもう振り返って見る位置にあるので、最後のシーンの「10年待っててやるから」はもう、正樹と厚成が10年重ならないことを分かっていてのセリフでしかなくてただただ眩しくて寂しかった。振り返らずに観れる年齢の人にはどう写るんだろう

デメキンのエンドロールの最後、このまま正樹と厚成の笑顔のアップで止めてくれって思うんだけど、容赦なく引きのカットに切り替わって二人は画面の外に出て行ってしまうんですよね。あれがもうどうしようもなく寂しい。監督は正しいよ。

デメキン、よくできてるし、面白いし、なによりわたしの好きなやつなのでなんらかの成功を得て欲しいけど、ラストの世界の閉じ方が完璧すぎるので続編欲しいかというと別にそうでもないのがもどかしい。続編やるならいっそ厚成なしでいい…福のじの正社員なれて遠方に飛ばされたとかそういうので

・漫画版正樹は主人公として分かりやすいキャラ造形なのに対して、映画版正樹の厚成が好きって気持ちを観客に共感させるには、観客にも厚成を好きにならせないといけない。推しの厚成にはその説得力がとてつもなくあるので厚成が推しでよかった。正樹厚成はオファー、その他は200人からのオーデだそう

・映画版デメキンを観て厚成を好きにならない人なんている?!いません!!!!!

*1:闇金ドッグス・ハイローは殿堂入りなので対象外

*2:当時撮影期間でした