強く生きる

HiGH&LOWと山田裕貴関連用。本業はオタクです。

となりの怪物くん完成披露試写会(ネタバレ感想)

原作は割と昔に一読したのみでうろ覚え&特に原作への思い入れはない人間のネタバレ感想です。事前記事も孫ちゃんのものしか読んでないので、それインタビューでもう答えてたよとかあったらごめんなさい。

 

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観終わって真っ先に思ったこと「監督、シザーハンズ好きでしょ!?」わたしが漫画原作実写化でいつもひっかかってたところをこうあって欲しいと願う通りに仕上げてきてくれたし、キャスティングもこうあって欲しい、と考える通りになってた。そこはすごい良かった。ただそれだけに唯一の不満も強いです。なんでこれ前後編にしてくれなかったんや…尺全然足りてないやないかーい!

世界の色がうつくしい
実写化に限らずアニメ化でも割といつも気になるんですけど、漫画を映像にするとき、漫画版のフルカラーイラストの色をそのまま再現する必要なくないですか?だって人間の肌の色はドクターマーチンのレモンイエローとタンジェリンを混ぜた色ではないし、日本の街並みはRGBで塗られてはないじゃないですか。街の色も空の色もイラストとは違うのにキャラだけ再現するんじゃなくて、漫画の世界と現実の世界の色の差分の分だけ、色味をずらして欲しいって思うんですよね。アニメだとどうとでもできるはずなのに、ちゃんとキャラと世界の色味が統一されているものとばらっばらのものがあって、前者は監督が女性なことが多く、色に対する知覚は男女差かなりあるので、男性が作るあるいは男性がお客さんな作品の場合はそうなっちゃうのかなあと。で、とな怪も映画のビジュアル出た時に制服がろびこ先生のかなり彩度高いイラストそのまんまのばりばり濃オレンジで、明太子屋の店員かよやっぱり男性監督*1にはそこ期待できねえ~となめプしてたんですけど、とな怪はまさかの世界の方の色を変えてきてました…!冒頭の教室シーン、ありえん彩度のロッカーをみて監督すみませんって超謝った。ごめんな!いつも見てる色調の街の遠景の前に、そこだけビビッドな…あれ、なんて呼べばいいかわかんないんですけどぐるぐるしてる遊歩道のフェンスの色、某夢の国みたいな街並みにまるでお城な学校、なによりもおもちゃ箱のようにカラフルなバッセン…でもヤマケンと雫が通う予備校と受験のシーンだけ現実の世界の色で、二人がすごく浮いているのを観て、あーこれ、この監督の世界めっちゃ好き!って思いました。監督、シザーハンズ好きじゃないですか?わたしもめっちゃ好きやで!ていうか考えたこともなかったですが、となりの怪物くんがそもそもシザーハンズに近い話ですね…怪物だし…。シザーハンズ、わたしの年齢だとちょっと映画が好きなら当然履修してるレベルの作品なので詳細について説明するのがどうにも気恥ずかしいんですけど、今はもう世代的に観てない知らない人もいるのかな…世界を作るためにものすごいパステルカラーの街まるごとひとつセット作ったりしてる映画なので、観てね。映画は真っ暗な劇場でみる夢の世界だからその世界には閉じててほしいんです。作り物で偽物で嘘で、でも変わらない何かが観たい。

キャストの属性があってる
キャスト発表されたとき、誰ひとり原作に似てないけど、全員属性は合ってるって思ったし、完成した作品を観てもやっぱり合ってるって思いました。それでいいんですよ~~~~別に、顔なんて、似てなくて、いいんですよ!(個人の感想です)世の漫画家が美しい顔面を描くのにどれだけ情熱をかけてると思ってんだそんなの再現できてるって言って許されるの橋本環奈と吉沢亮ぐらいしかいないじゃん!属性合ってることの方が断然大事。主要キャラ、みんなちゃんと原作と同じ属性だったんですけど特にすごいなって思ったの雫(土屋太鳳)と優山(古川勇輝)です。優山、すごく優山だった。

ヤマケン出番少なすぎ問題
ヤマケン好きな人は実写化されたことよりも実写で出番少なすぎることに怒った方がいいと思う。ヤマケンってコマ外やフキダシ外がかわいいキャラじゃないですか?何言ってるんだって話ですけど、ニュアンスで理解して!でも、話の進行に必要な箇所しか出てこなくて、進行に必要なセリフしか喋らなくてそういう描写の尺がほとんどなかった。「ヤマケンが好き」はビジュアルだけでもなんとかなるけど「ヤマケンに萌え」はエピソード描写がないとむずかしいなって。萌えって生物として必要のない完全に文化的な感情だから、無駄から生まれるものだと思うんですよ。んー!!って思ったの、落ちそうで落ちなくてやっぱり落ちたポップコーンの持ち方と学祭でちらっとみえる青い靴下とサンダル脱いでデッキチェア座ってる時の足の裏ぐらい。実写版ヤマケンのポップコーンの持ち方、萌えます!
雑誌の対談記事で菅田くんが山田裕貴のことを「あなたは骨格がヤマケンに向いてる。骨格がマジイケメン。立ち姿に品がある」と評していて、菅田くんそ・れ・な~~~~~!!!!めっちゃ分かるガム食べる?ガム食べる???ってなったんですけど、本当に骨格がイケメンだし立ち姿に品があるし、それがヤマケンとして必要な要素を満たしてた。最初に出てきたときは、顔がいいだけのいけすかないうざい奴で、それが雫を好きになった瞬間があって、でもそれを認めたくなくてだけど一緒に過ごすうちにどんどん心を占めるようになっていって、泣くんじゃないかとハラハラした最後のシーンは気持ちの全部が雫を好きってこと、どれもこれもちゃんと伝わってきたんですけど、でもそれぜーんぶ山田裕貴の演技にしかないんですよ!感情はあるけど物語がない。原作は少女漫画なのでどんなに当て馬が人気キャラでも、最後は春エンドなのもヤマケン振られるのも分かっててでもその揺れに胸キュンしたり床転がったりドラミングしたりしながら読む訳じゃないですか。それもっと、このヤマケンと雫で物語として観たかったよ~~~!!!!

多分、とな怪が映画一本に収めるの難しい話なんですよねきっと。少年漫画や青年漫画なら途中で切れるポイントもあるけど恋愛ものだからエンドまでいかないといけないし、かつディスコミュニケーションとか自己肯定の話でもあるから主要キャラの人数減らせないし両方やらないといけないし、いちいちキャラのバックボーン描写入れなくても出てるシーンだけで説得力出せるキャストちゃんと揃えて、必要なエピソード抑えて、原作をダメにしてるかっていうとそんなことはないんですけど、どうしてもダイジェスト感があるというか、忙しい人のための5分で分かるとな怪だったなあっていう…。この演出でこのキャストならもっと時間があればって思うし、でも前後編ってそうしたいからといってできるものじゃないし、思えば漫画って話の内容に合わせて一番尺を自由にできる商業媒体で、それってすごいアドバンテージなんだなーと。漫画の良さをかみしめたところでおばあちゃんは漫画の星に帰ります。はい…。


舞台挨拶のことなど
・初めて土屋太鳳ちゃんを生でみたんですけどめっちゃくちゃかわいかったです。
正直な話、わたし松嶋菜々子とか土屋太鳳とかの鼻の下の溝?がはっきりしてる顔がどうも苦手で美人なのは理解できるんですけど生理的にダメなんだろうなーって思ってたんですけど、実物はそんなこと気にならないぐらい目が綺麗で吸い込まれそうだし、それにすごく声と話し方がいい。興味ある演目ならお芝居行こうと思ったぐらいなので相当です。相当かわいいです!
・ファッションショーを模した演出から始まって、ランウェイの最後にサインボール投げてたんですけど、国際フォーラムCホール中央ぐらいから2階席の後方までボール投げる孫ちゃんが見れてひぇってなりました。肩が強い。肩が強い!!体力ゼロのおたくだから身体能力高い人間にすぐあかん~~~ってなります。
・最初の挨拶のとき「映画は観られて初めて完成するので…」と言っていたのは正直しんどかったです。つっこんで笑いをくれた菅田くん、ありがとう。
・孫ちゃんがかつてなく、それも一人だけ汗かいてて毛先からぽたぽた落ちるわ鎖骨の窪みに汗溜まるわのレベルで汗だくだったのでタオル投げてあげたかった。現場からは以上です。

 

おまけ。写真撮影OKタイムの輝いてる一枚

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*1:でも色遣いが一番好きなのは男性の三木孝弘監督だったりするのでなんとも言えない。