強く生きる

HiGH&LOWと山田裕貴関連用。本業はオタクです。

HiGH&LOWというユニバース

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もうすぐHiGH&LOW THE RED RAIN(以下赤雨)の円盤がでるということで、自分の中で振り返りを。上の写真は赤雨前夜祭の時に作っていったものです。初うちわなのでガッタガタなのは許してください。当日、まさか鬼邪高勢が来るとは1mmも思ってなかったので鬼邪高に向けてとかでなく完全にHiGH&LOWという作品に向けてのメッセージでした。実際には鬼邪高3人が登壇してめちゃくちゃびびりましたが。前夜祭のことは何度思いだしても幸せな気持ちになれるのでいずれレポりたい。わたしはこの先一生、じゃぱらーんのイントロを聞くだけであの時の嬉しさを反芻して元気になれると思う。

前夜祭の話はさておき、HiGH&LOWにはまって鬼邪高の女になってからは、とにかく村山ちゃに卒業してほしくないということばかり考えていました。8月末が初見で、あんまり普通の上映が残っていなかったこともあって応援上映には結構通った方だと思うのですが、ED中の鬼邪高に背を向けるシーン、あそこで毎回卒業しないで!やめないで!!って絶叫してました。なんならタツヤさん逃げて逃げてーのシーンより必死だった。今は、なんであそこまで必死だったのか分からないぐらい平気です。EDで寂しくなるのは変わらないですが、でも2以降では鬼邪高に居続ける村山良樹より、鬼邪高を卒業したあとの村山良樹が見たい。卒業してSWORDのOが二つになっちゃったら話ややこしいわ!とは思うので、あのEDのシーンはなかったことにしてしれっと例のソファでごろごろしててくれてもいいんですけど、いつかHiGH&LOWが終わる時には鬼邪高でないどこかに辿り着いていてほしいという気持ちがはっきりとあります。
卒業が平気になったのは、当時山田裕貴の仕事をHiGH&LOWしか知らなくて、もっと見たいから卒業されたら困る!だったのが、他にもいい仕事いっぱいしてるのを知って、そこで山田裕貴分を摂取できることが分かったからというのも大いにあると思うんですが(なお、闇金ドッグスファイナルとか言われたら火炎瓶作成してカチコミにいく自信があります)、やっぱり赤雨の存在が一番大きいです。ザムにはまって、謎のハイテンションで応援上映いきまくってた時、だんだん慣れてきたとはいえやっぱり琥珀さんのシーンはちょっと笑っちゃってたんですよね。初見時、AKIRAのシーン長えよ~~だったのが回を重ねるうちに実質一瞬になったし、コブラちゃんやヤマトの悲しみがかわいそうで、泣かないでっていいながら一緒にうるっとはきてたけど、琥珀さんはこの輩サーの姫、困ったちゃんだなーぐらいの認識でした。それが、赤雨が公開されて10回以上通った後に文芸坐一挙イベントで久しぶりにザムを見たとき、琥珀さんが寂しくて悲しくて涙が止まらなかった。大号泣です。変われない琥珀さんが、最終的に変わることを受け入れて、でもそこに至るまでに受けたたくさんの痛みが辛くて悲しかった。そうなったのは多分赤雨大量摂取によって、HiGH&LOWという物語が捨てることと変わっていくことは違うこと、変わるには痛みを伴うこと、誰かが居なくなっても残るものがあることを執拗に描くための物語だと理性ではなく身体で理解できたからかなと思います。そしてきっと最終的に、人は変わらなくてはいけないという結論に至るであろうことも。辛い。変わりたくないよなあ。このままずーっと今のそこそこの体力とそこそこの資金力を持って楽しいことだけ追っかけて生きていたい。だから琥珀さんを見てると辛い。雅貴を見てると辛い。ここまで大量の金と時間と人力をつぎ込んで、自分に言い聞かせるための物語を作らざるを得ないHIRO神が辛い。でも、その辛さがまたHiGH&LOWの良さなわけです。困った!

山田裕貴の良さは「無」だと思うって何度か書きましたが、HiGH&LOWドラマ一期は本人のインタビューでも言ってたように中身に「きょうき」が詰まってたと思うんですよね。鬼邪高をHIRO神が気に入って二期でも出番を、という話になって出来た追加エピソードでは明らかにキャラデザもキャラ設定も変えてきた訳ですが(HiGH&LOWのこの辺の融通力の高さ、だいすき!)、山田裕貴の持つ無っぽい感じ、ふわふわとでも貪欲に中身を探してる感じに寄せてきたことには本当に感謝しかないんですが、琥珀さんや雅貴のように変わりたくない人間に対して、村山良樹はきっと軽やかに変われる人間なんだなって。SWORDの中で、鬼邪高だけが今のトップが作り上げた組織ではなく*1、学校といういずれ出ていくことが決まっている場所なわけで、きっと頭になった瞬間から次のことを考えてたんだと思います。ただ、それは鬼邪高を背負う次の誰かのことではなく、鬼邪高の次に自分の中に入れるものを何にするか、だったのがコブラちゃんに勝てなかった時*2から、次を託せる誰か、になったんだろうなあと。まあ村山ちゃんは轟にって思ってるっぽいけど、当の轟はまだ全然納得してないだろとか、もうちょい学ラン姿見てたいよおとかいろいろありますけど…村山良樹の次のステージが見たい。琥珀さんの次の居場所が見たい。ノボルを取り戻して、琥珀さんも取り戻して、これでまた昔に戻れると思ったコブラちゃんが山王街の再開発をどう受け止めるのか見たい。二人きりの兄弟になってしまった雅貴の新しい幸せが見たい。漫画だとこうは考えなかったと思います。登場人物に歳を取らせないこともできるし、作者が死ぬまで延々と同じことやってたっていいし、中には死んでもやってる作品もある。HiGH&LOWは変わっていくことを楽しみたいし、楽しませてくれるんだろうなあと思うと幸せだし、終わる頃には自分もちょっとはマシな人間に変わってたいですね。

ちなみに、「HiGH&LOWというユニバース」という表現はどこで出たかは忘れちゃったんですが間違いなく公式からの発言で、このワード、めっちゃ最高だと思います。

*1:そんな鬼邪高のキャラソンだけがオリジナルでなくカバーなのもすごいと思う。

*2:一期のコブラ村山戦は村山ちゃん棄権につき不戦敗だと捉えてたので公式的にも世間的にもコブラ勝利扱いなことに毎回びっくりします。