強く生きる

HiGH&LOWと山田裕貴関連用。本業はオタクです。

安藤忠臣を追っかけています(闇金ドッグス4バレ感想)

闇金ドッグス4を観てきました。幸いチケット確保できて初日舞台挨拶付き朝回・昼回両方とも。赤雨前夜祭以来、山田裕貴を直接見るのは2回目ですが相変わらず目がうるうるしていてかわいかったです。アイホールが大きくてまぶたが薄いタイプのヘッドなので、目の中に光がよくはいって白目にもハイライトがあるから目がうるうるして見えるのか、と元ドール者としての発見もありました。SD初期子みたいな目の形してるよね!作画厨なので直前に出たインタビューで髪を切っていたことを知って落ち込んでいたのですが、当日の髪型はデコ出しでかわいかった。でもやっぱもっと短くするか、伸ばしてゆるパーマあてて毛先だけちょっと明るくしてバンダナ巻いてて欲しい。モンペ作画厨です。あと複数のおっさんにせかされて大勢の女性の前でセクハラ発言させられていたのはどこの企画ものAVかと思いました。面接ものかな?世界ありがとう。


4本編と忠臣さんについて思うことをあれこれと。まだ咀嚼しきっていないのでとりとめないですが。ネタバレありです。

 

 

監督がガチバンシリーズの方に戻った、ということでウルトラマックス・ニュージェネ2から地続きでした。正直なところ、安藤忠臣というキャラの良さはその時々の山田裕貴の年齢と、演技力と、体型によるところも大きいと思っているので、今の痩せてそれなりに大人びた山田裕貴に、あの顔パンパン下半身ムチムチでピーナツ食べたら食べた数の分だけ翌朝ニキビできそうな安藤忠臣(18)を再現できるのかな?という不安はあったのですが「ラストファイナンス」「おう」「豊田さん…!今日でしたか」の声だけの演技で一瞬で吹っ飛んだ。忠臣(18)だ…!ウルトラマックスの最後で18の忠臣くんは死んだと思っていたのでまだ生きていたこともびっくりです。
新ラスファイで餃子食べるシーン、忠臣(18)と忠臣さんをない交ぜにしてくるのがとてもよかった。18の頃のように無邪気に笑いつつも、ちゃんとオトナ語っぽい会話をしたり、あと、ビールついでもらうときに口をきゅっと引き結ぶところ、オトナは酒を注いでもらうときああいう顔になるんですよね。その18の忠臣くんと、今の推定20代前半の忠臣さんとをこんな風に混ぜられるの、シリーズがずっと続いてきて、中の人も年とって経験を積んだからこそできる演出だなって。3年経過といっても30と33じゃここまで変わらないしなー。ウルトラマックスの時にD2のデ(略だったのも、ニュージェネ2と闇金1の時に一番やせてたのも、2と3で少し戻っているのも全部その時々の忠臣さんのキャラクターに完璧にはまっているの、役作りではなくたまたま巡り合わせな部分も多いと思うので、なんというか、神に感謝します。ありがとうありがとう。ニュージェネ2のがりっがりでタバコの煙だけで生きてるような忠臣さん、哀しくて大好きです。
AV制作会社社長パートは企画会議に鎮座してるところはもちろん、全裸撮影とかカッター振りかざすところも含め、ただただ忠臣さんへのセクハラで楽しかった。劇場内もよく笑い声があがってて、実質赤雨のアイスパートでした。シンゴジパロはもう一段ゴジラネタ仕込むぐらい徹底してほしかったなー。ニュージェネ2の唐突なヤンクミネタとか、こういうパロはそこまで面白いと思わないほうなんですけど、世の中に有名映画のパロディAVがかなり存在することを鑑みると、レンタルビデオを頻繁に利用する男性客はパロディ好きなんですかね。
あと元子、よかったですねー。元子も豊田もまあ落ちるべくして落ちてるだけだよねってぐらい行動がダメなんですけど、元子のさばさばしたしゃべり方とか、ハスキーな声とか、薄い笑顔とかがいいので、素直に幸せになって欲しいと思える。これがなければただのダメ人間劇になってしまうところだった。石松もよかったな。舞台挨拶でのジェントルさんがおもしろかわいくて一気に好きになってしまった。いつか忠臣さんVS石松はやってほしい。
好きなシーンは忠臣さんが元子のアパートに督促に来るところと、豊田に20万追い貸しするところです。山田裕貴の何が好きって、悪役ポジを演じるときに闇とか影とかでなく「無」になっているところなんですけど、アパートに来たとき、まさにその一番好きな顔をしていて心の底から拝みました。今月めっちゃ時間ないんですけどあと1回大スクリーンで拝みたい。あとDVDじゃなくブルーレイ出して。
忠臣さんは頭は回るけれど、教養と社会的バックボーンがなくて(ないと無意識に自覚していて)、だから自分を語る言葉を持たないし、良夫とかAV制作会社の面々とか、どんなに薄っぺらだろうが偽物だろうが自分を語れる人間の前に出ると弱いんじゃないかなあと。督促に行くとき、筋を通すべきだとか、情に流されたい気持ちだとか、そういう色々はあるんでしょうけど、結局どれが正しいか分からないし、そもそもこれが安藤忠臣だという自己認識がない。だからその時々の食い扶持である、ヤクザの下っ端だとか、組長だとか、闇金業者といった肩書きに規定された生き方しかできないし、器だけあって中に何を入れたらいいのかが分からない。それがあのガラス玉みたいな目にさせているのかなあ。忠臣さんの目は忠臣さんの周りの世界の虚無を写していて、それがとても寂しいし、クソオタなんでクソ萌えます。
20万追い貸しするところ、監督のインタビューでもいいって言われてただけあって本当によかった。あの時、忠臣さんは自分の中で豊田に貸すための担保を決めたんだと思う。過去の豊田にあこがれていた自分か、今のカタギで食えてる自分か。後者であってほしいし、後者だって忠臣さんがちゃんと認識していてほしい。
ただ最後の屋上のシーンはちょっとまだ納得がいってないです。何度かみたら自分なりに咀嚼できるのかもだけど。これは忠臣さんだけでなく村山ちゃんにも共通してることだと思うんですけど、二人ともある種の暴力装置だと思うんですよね。本人の感情に関係なく、暴力に支配された場に出ちゃうと興奮してしまうというか…だからあの豊田が石松に銃を突きつけた場で、最初から最後まで冷静な忠臣さんに違和感を覚えた。もっと具体的に言うと「また10日後」のセリフ、言うの早すぎじゃないですか?!あれは忠臣さんが豊田をカタギの側に引き戻したくて、の言葉なので別にあのセリフでいいんですけど、さらっと出てきてるのが、忠臣さんあの場でそうできるほどそんな話すのうまくないんじゃないかと…あそこだけ落語のサゲというかブラックジャックのオチっぽいというか、うまくオチが付きすぎみたいな…普通に考えて忠臣さんは豊田の後をつけたか、たまたまビルに入る前の豊田を見つけて付近で張ってたか(屋上が2で岡林ボコったとこなのは忠臣さんの出現スポットという説明かなと)で、頃合みて出てきたんでしょうけどなんであんなに冷静だわ上手いこと言って出てくわなんだろう…2&3のダークヒーロー忠臣さんならそれでも「忠臣さんかっこよすぎでしょ!」でいいんですけど、4はずっとぐらぐらさせっぱなし追い詰めまくりだし…うーん。豊田をつけてるうちにどうするかちゃんとイメトレしていたのかな。その割には「どっちなんですか」って聞くとこ、泣きそうな顔してたぞ。あと須藤司もすこしキャラブレしてるような気がした。言動が唐突で5の伏線か、忠臣さんに言わせたいセリフを言わせるための舞台装置かのどっちかみたいな。最後で「どっちが鬼か?」と聞くところ、忠臣さんの返しが最&高だったのはいいんですけど、なんでうまい棒から突然そんなことを聞くのかと。これは4&5を両方みたらちゃんと回収されることかもなんでそれまで保留だなあ。っていうか回収されてください。労力使いたくない理由も不明だし、伏線だと思いたい…。
居酒屋で豊田がコップのビール半分飲む間に忠臣さんが1杯飲み干すとこ、冷奴枝豆焼き鳥が並ぶ卓上でいきなり焼き鳥串にかぶりつくとこよかったな。あ、忠臣さん若いんだって。それを豊田がニコニコ見ているのもいい。テーマが闇金なので、どうしても闇金からお金借りちゃうようなどうしようもない人間の話になってしまうし、一応まともに勤労して納税してる観客である私からすると底辺の人間を下世話に眺める楽しみ方になってしまうところを、4は丁寧に好感持たせようとしていたように思う。逆に1~3はそれを一本のエンタメとしてきっちり完成度あげてくことに注力してたんだなーと。脚本・キャストが同じなのに監督が違うとここまで変わるものなんですね。どっちがいいとかでなく、どっちも好きなので、闇金ドッグスは監督交互に変えつつ続けてほしいなあ。あと、監督同士で「山田の取り合い」(監督インタビュー原文ママ)の場外乱闘するところ見たいから円盤特典映像にどうですか。

すごくどうでもいいんですけど、豊田の履歴書、生年が昭和46年になってたように見えたんですけど、そうすると豊田45歳っていくらなんでも嘘だろ承太郎。中の人還暦過ぎてるよね??忠臣さんの年齢も謎だし。ウルトラマックス18歳、ニュージェネ2は20歳(17歳のトキオが中学の後輩と言っているということは最大でも3つしか離れてないのかと)から闇金ドッグス1まで何年経過したのか教えてイケタニ先生~!